・ 会社の売上を上げるにはどうすればいい?
・ お客様向けに、訴求力のある告知を配布するにはどんな資料を作ればいい?
・ 不妊治療に関する社説を読んで、その法的・論理的な問題点をどう考えますか?
・ 自分の子供にランニングシューズを買ってあげたい。さてどんなシューズを選べばいい?また、間違ったシューズを履かせるとどんなことが起こる?
社会やビジネスで日々直面する「問題」は、とても多様で、しかもその答えは一つではありません。
しかし、それぞれの問題の答えを導いていくためのプロセスは、どれも同じです。
1. 現状を知る
レポートや統計、資料、専門家の意見など、関連する情報を集め、今の状況を把握する。
2. これまでやってきたことを検証
その問題を解決するために、これまでどんなことが行われてきたか、また似たようなケースで何がなされてきたか、そしてその結果を検証する。
3. アイデア(答え)を出す
問題を解決するために考えられるアイデアを全てだし、まとめる。
4. 実際にできること
現実的に実現可能な案や、もっとも効率がよく効果的なものを絞り込む。
5. 実際の行動へ
最終的な案(答え)を実際の行動に移す。
6. 結果を測定
行動した結果を判定し、良ければ継続、悪ければ他の方法や案にシフトチェンジする。
一生のうち何度も直面する問題を一つひとつ解決していく中で、このプロセスと、答えを出す(問題を解決する)ためのスキルを身につけておけば、問題をよりスムーズに解決できることは間違いないでしょう。
この問題解決のためのスキルの土台(ベース)となるのが「PISA型読解力」です。
PISA型読解力では、得た情報から自分の意見をまとめ表現する、という「意見の表現・表明」が非常に重要視されています。
そこには、
・ 表現された意見や考えをみれば、それまでに得た知識と取り出した情報の読解が正しく行われているかが判断できる。
・ 表現することによって、知識や情報が本人の中に深く定着する。
という意図があります。
では、具体的にどのようなプロセスで「自分の意見の表現・表明」へと導かれるのでしょうか。
1. 知識を使って情報を取り出す
これまでに身につけた基礎的な知識を使って、テキストや資料から必要な情報を取り出す。たんに文章を読んで理解するだけでなく、内容を「解釈」し、「熟考」する。
2. 言葉も、絵も、写真も情報ソース
このときに用いるテキストや資料は、論文、小説、ニュースの記事、絵、グラフ、世論調査、経済指標、統計、社説、インターネットの記述、歴史的事実、自然現象など多岐に渡ります。
3. それは、事実か、考えか?
読み取った情報が客観的な「事実」なのか、それとも表現者(情報を発信した人)の「考え(解釈)」なのかを判断する。
4. 自分の意見を表現する
得た情報について、自分はどう考えるのか、どんな答えを出したのか、を適切な方法で他の人に表現する。
5. 適切な表現方法とは?
適切な方法による表現とは、作文(論文)、ディスカッションによる発言、プレゼンテーション、さらには芸術(絵画・音楽など)やグラフ、図といった言葉以外での表現が含まれます。
このプロセスに沿って問題を解決するための意見を表現できる力(スキル)が、PISA型読解力によって身につきます。
興味深いのは、直面する問題を解決していくプロセスの中で、その問題に関連する膨大な知識が身につくということです。
例えば、
「現在の日本における男女差別を解消するには?」 という問題を解決するために、情報を集め、検証し、自分の意見(答え)を表現するというプロセスを踏んでいくと、
・ 女性の参政権の獲得など、これまでの差別とその解消(近代日本史)
・ 日本の大企業における取締役の女性比率は、先進国の中で群を抜いて低い(統計・社会)
・ 諸外国における男女差別への取り組み(地理・宗教・文化)
・ 看護師・キャビンアテンダントなど、職業に対する呼称の変化(言語、ポリティカル・コレクトネス)
・ フェミニズム運動と行政の取り組み(政治)
など、答えを導く材料となる知識が、教科や分野の枠を超えて、様々な角度から吸収されます。
また、これまでは学生や学者といった限られた人たちが「学習」をするものという意識がありましたが、現在では誰もが様々な分野の知識を得るために、自然に学習する「生涯学習」という意識が広がっています。
現代を生きていくにあたって、直面する問題を解決し、積極的に社会参加(社会貢献)し、より豊かな人生にするために必要な本当の意味での学習と学力。
そのすべてのベースとなる学習スキルこそが、PISA型読解力です。









